エアコン工事でVVFの渡線を結線して使用してはいけない理由:安全な施工のために知っておくべきこと
エアコン工事において、電気配線は非常に重要な要素です。特に、配線材料の選定や結線の方法は、エアコンの安全性や性能に直接影響を与えるため、慎重に行う必要があります。その中でも、VVFケーブル(ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形)を使用する際に、渡線を結線して使用することは避けるべきです。このブログでは、VVFケーブルの渡線を結線して使用することがなぜ危険なのか、その理由を詳しく解説し、正しい施工方法についても説明します。
目次
- ○ VVFケーブルとは何か?
- ○ 渡線とは何か?
- ・渡線を結線して使用するリスク
- ・絶縁不良による漏電リスク
- ・電圧降下による機器の誤動作や寿命の短縮
- ○ 電線の正しい結線方法
- ○ まとめ:安全なエアコン工事を行うために
VVFケーブルとは何か?
VVFケーブルは、一般家庭や商業施設の電気配線に広く使用される電線の一種です。VVFとは「Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat」の略で、ビニル絶縁とビニルシースの二重構造を持つ平形のケーブルを指します。VVFケーブルは、その耐久性や耐火性、取り扱いやすさから、特に屋内配線において多用されています。また、フラットな形状をしているため、狭いスペースや複雑な配線経路でも扱いやすい特徴があります。
エアコン工事でも、このVVFケーブルが配線材料として使用されることが多いですが、その結線方法には細心の注意が必要です。特に、結線部分で渡線を行うことは推奨されておらず、これにはいくつかの理由があります。
渡線とは何か?
ここで言う渡線とは操作線とも言い、室内機と室外機を繋ぐための電線です。一部のエアコンは1.6㎜が使用可能ですがほとんどのエアコンは2.0㎜を使用します。
材料費の節約として、2.0㎜を使うべきところをで1.6㎜を使用してはいけません。
火災や商品の破損などの恐れがありますので、バレないだろうという安易な気持ちで指定された規格外の部材を使用することは絶対にやめましょう。
事故が起こってからでは何もかも手遅れです。
渡線を結線して使用するリスク
接触不良による発熱リスク
VVFケーブルの渡線を結線することで、最も大きなリスクとなるのは接触不良です。電線同士がしっかりと接続されていない場合、接触抵抗が増加し、電流が流れる際にその部分が発熱することがあります。発熱は、ケーブルの被覆を損傷し、さらには火災の原因となる可能性があります。
特にエアコンは、高い電力を必要とする機器であり、長時間連続して使用されることが多いため、渡線による接触不良が発生すると、その影響は非常に大きくなります。電線が適切に接続されていないと、電流が一部に集中し、その部分が異常に熱を持つことになり、最悪の場合、火災が発生するリスクが高まります。このような状況を避けるためには、室内機と室外機の距離をしっかりと確認し多少余裕のある長さで切断しましょう。
電線の長さが足りないからといって結線してはいけません。
※但し、隠蔽配管などの特殊な状況の場合ではリングスリーブを使用し、自己融着テープと絶縁テープでし適切に絶縁処理を行えば大丈夫です。
回路を結線する時に使用するコネクタも使用してはいけません。
絶縁不良による漏電リスク
渡線を結線して使用することで発生しやすいもう一つのリスクが、絶縁不良です。VVFケーブルは、絶縁層によって電流が漏れないように設計されていますが、渡線部分ではこの絶縁層が不完全になりやすく、漏電のリスクが高まります。
特に、エアコンのように高電圧で動作する機器の場合、漏電が発生すると感電事故のリスクが増大します。また、漏電が持続することで、電気回路が不安定になり、エアコンの動作に支障をきたすことも考えられます。最悪の場合、漏電によって火災が発生する可能性もあり、このような事態を避けるためには、渡線を使用せず、しっかりとした絶縁処理を行うことが求められます。
電圧降下による機器の誤動作や寿命の短縮
渡線による接触不良や絶縁不良が生じると、電圧降下が発生する可能性があります。電圧降下とは、電気が流れる際に抵抗によって電圧が低下する現象です。これにより、エアコンに供給される電力が不安定になり、エアコンの動作が不安定になったり、誤動作が発生したりすることがあります。
また、電圧が安定しない状態でエアコンを使用し続けると、内部コンポーネントに過度な負荷がかかり、機器の寿命が短くなる可能性があります。高価なエアコンを長期間にわたって安全に使用するためには、電圧を安定して供給することが非常に重要であり、そのためには、結線して電線を延長しにない様にしましょう。
電線の正しい結線方法
エアコン工事において、VVFケーブルを正しく結線することは、工事の安全性と品質を確保するために欠かせません。正しい結線方法を理解し、それに従って作業を行うことで、事故のリスクを最小限に抑えることができます。
まず、電線同士を接続する際には、電線の被覆を適切に剥き、接続部分にリングスリーブを通し圧着ペンチを使用しましょう。リングスリーブのサイズや圧着ペンチのサイズを間違えたり、電線が緩んでいたりすると接続が不十分になり、接触不良が発生します。接続が完了したら、絶縁処理をしっかりと行い、電線が外部からの影響を受けないように保護することが重要です。
また、結線部分をコンパクトにまとめ、余分なケーブルが露出しないようにすることも重要です。これにより、外部からの衝撃や摩擦による損傷を防ぎ、長期間にわたって安全に使用できる配線を実現できます。
まとめ:安全なエアコン工事を行うために
エアコン工事において、一部の未熟な業者さんが渡線を繋いでいる現場があります。
度々お店にクレームが入ることがあり、当社の協力業者さんが手直しに行ってくれています。
夏にしかエアコン工事をしない業者さんに多いようですが、しっかりと綺麗な工事を行う素晴らしいエアコン業者さんもいらっしゃるので、そういう人達の評判迄下げる様な工事はして欲しくありませんね。
皆さんの中には自分とは関係ない人のせいで、とばっちりを食らったことがある人もいるかと思います。
しかもやった本人は評判を下げた自覚がない人が多いのも事実です。
皆さんは自分がそんな人たちと同じにならないよう、細かいことでも気を遣いできるエアコン業者さんのままであってください。
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