お掃除機能付きエアコンは本当に掃除不要?プロが教える“限界と落とし穴

エアコンのお掃除機能はどこまで掃除してくれるのか?

最近では、「お掃除機能付きエアコン」という言葉を聞かない日はないほど、家庭用エアコンの多くに搭載されています。販売員の説明でも「自動で掃除してくれるから、手入れの手間が少ないですよ」と言われることが多く、実際に購入の決め手になったという方も多いのではないでしょうか。
しかし、この“お掃除機能”というのは、名前の印象ほど万能ではありません。実際には「掃除してくれる範囲」が限られており、エアコン内部全体をきれいにしてくれるわけではないのです。

ここでは、業者としてもお客様に正しく説明できるように、「お掃除機能ができること」「できないこと」「注意すべきポイント」について丁寧に解説していきます。

フィルター自動清掃機能の仕組みと範囲

お掃除機能の中でも代表的なのが「フィルター自動清掃機能」です。
この機能は、エアコンのフィルター部分についたホコリを自動で取り除く仕組みで、ブラシやローラーがフィルター表面をなぞりながらホコリをかき取ってくれます。その汚れはダストボックスと呼ばれるホコリ溜めに集められ、一定量たまるとユーザーが自分で捨てる仕組みになっています。

この機能によって、フィルターの目詰まりを防ぎ、エアコンの風量低下や電気効率の悪化を抑えることができます。確かに便利な機能ではありますが、ここで誤解してはいけないのが「フィルター以外の部分は掃除されていない」という点です。
自動清掃はあくまでフィルターの表面に付着したホコリを落とすだけであり、熱交換器や送風ファン、ドレンパンといった内部の主要部分までは手が届きません。

また、フィルターにこびりついた油汚れやタバコのヤニ、キッチンからの油煙など、粘着性のある汚れは自動ブラシでは取り除けません。これらの汚れは洗剤を使って手作業で落とす必要があります。
さらに、ダストボックスを定期的に掃除しないと、ホコリが湿気を吸ってカビの原因になることもあります。自動清掃だからといって完全放置にしてしまうと、かえって衛生面で逆効果になってしまうのです。

内部クリーン機能(乾燥運転)の働き

もうひとつ代表的なお掃除機能が「内部クリーン機能」または「内部乾燥運転」と呼ばれるものです。
これは、冷房や除湿の運転後にエアコン内部に残った湿気を乾かすための機能で、主にカビやニオイの発生を抑える目的で使われます。

エアコン内部は冷房運転時にどうしても結露が発生します。その水分が残ったままだと、湿った環境を好むカビが繁殖しやすくなります。内部クリーン機能は、運転停止後に送風や弱暖房を組み合わせて内部の湿気を飛ばし、できるだけ乾いた状態を保つ仕組みです。

ただし、この機能も「カビを落とす」わけではありません。あくまで「カビを発生しにくくする予防的な機能」であって、すでに付着したカビや汚れを取り除くことはできません。
また、内部クリーン中はぬるい風が出ることがあり、使用中の環境によっては作動しない場合もあるなど、万能とは言い難い部分もあります。

お掃除機能の限界と注意点

お掃除機能付きエアコンには確かに便利な面がある一方で、いくつかの限界があります。まず第一に、内部の熱交換器や送風ファンなど、エアコンの性能を左右する重要な部分までは掃除が行き届かないということ。
これらの部分は冷暖房効率に直結するため、汚れが溜まると風量の低下や消費電力の増加につながります。

第二に、構造が複雑な分だけ、故障リスクが高い点も見逃せません。モーターやセンサー、ブラシなどの可動部品が増えるため、長年使っていると「お掃除機能が動かない」「異音がする」といったトラブルも発生しやすくなります。

さらに、「お掃除機能があるから掃除しなくていい」という誤解を持たれやすい点も問題です。実際には、ホコリやカビは時間の経過とともに内部に蓄積していきます。目に見えない部分が汚れてくると、嫌な臭いの原因になったり、冷暖房の効きが悪くなったりすることも少なくありません。

業者による分解クリーニングが必要な理由

お掃除機能が付いていても、定期的なプロのクリーニングが欠かせません。
その理由は、内部構造の奥深くに溜まった汚れやカビは、自動機能では取りきれないからです。プロの業者による分解クリーニングでは、エアコンを分解して熱交換器や送風ファン、ドレンパンまで徹底的に洗浄します。
これによって、冷暖房効率が回復し、エアコン本来の性能を維持できるだけでなく、カビ臭やホコリっぽさも改善されます。

さらに、プロによる清掃ではお掃除ユニット自体の点検も行うため、故障の早期発見にもつながります。お掃除機能が付いたエアコンほど構造が複雑なので、定期的に専門家に見てもらうことが長期的な安心につながります。

正しい使い方とメンテナンスのポイント

お掃除機能を最大限活かすには、ユーザー自身のちょっとした心がけも大切です。
まず、ダストボックスのホコリは定期的に取り除くこと。1か月に1回程度を目安に掃除すれば、カビや悪臭の発生を防げます。
また、内部クリーン機能は冷房使用後に毎回作動させるように設定しておくと、湿気を残しにくくなります。

それでも年に1回程度は、業者による分解洗浄を依頼するのが理想的です。自動機能で取りきれない部分をしっかり洗うことで、快適な空気とエアコンの長寿命化の両方を実現できます。

まとめ

お掃除機能付きエアコンは、確かに便利でメンテナンスの手間を軽減してくれる優れた機能です。
しかし、実際に掃除してくれるのはフィルター表面や内部の湿気除去といった「一部の領域」に限られています。内部の奥まできれいにするには、やはりプロの手による分解クリーニングが欠かせません。

「お掃除機能が付いているから安心」と思っている方ほど、実際には内部が汚れているケースも少なくありません。
定期的なクリーニングを行うことで、エアコンの性能維持はもちろん、空気の清潔さや健康面にも良い影響を与えます。

エアコンは一年中使う家電だからこそ、内部まで清潔に保つことが何より大切です。お掃除機能を上手に活用しつつ、プロによる定期メンテナンスを取り入れることで、安心して快適な空気を届けられるようにしましょう。


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