壁面・屋根置き・天吊り・二段置き。エアコン工事で室外機の設置方法ごとに変わる注意点
エアコン工事というと、どうしても室内機の見た目や配管の仕上がりに意識が向きがちです。もちろん、それも大事です。ですが、実際の現場では、工事の出来を大きく左右するのは室外機の設置方法だったりします。
同じエアコン工事でも、地面置きと壁面設置では考えることが違います。屋根置きと天吊りでも、気を付けるべきポイントは変わります。二段置きになれば、さらに架台の納まりや将来のメンテナンスまで見ておかないと、後から困ることが増えていきます。
メーカーの案内でも、室外機は室内機の真裏の地面に置ける形が基本で、配管は短いほうが運転効率が良く、周囲の風通しも重要だとされています。また、周囲のスペースが足りないと、吹き出した空気を再び吸い込むショートサイクルが起こり、能力や消費電力に悪影響が出ることがあります。つまり、室外機は「置ければいい」わけではなく、置き方そのものが工事品質の一部だということです。
壁面設置は「付けられるか」より「安心して残せるか」で判断したい
壁面設置は、ベランダや地面に十分なスペースが取れない現場でよく使われます。見た目もすっきりしやすく、通路を邪魔しにくいので、条件が合えばとても有効です。ただ、その一方で、現場ではかなり慎重に考えたい設置方法でもあります。
まず大前提として、壁面設置は高所作業になることが多く、メーカーも壁掛けや天吊りのように、はしごを使う高所作業が必要な工事は標準的な設置とは別の特殊作業として案内しています。さらに、据付説明書でも、室外機は運転音や振動が増大しないよう丈夫な壁や強固な台を選ぶこと、高所に据え付ける場合は室外機の足を必ず固定することが示されています。
ここで大事なのは、単に金具が付いたから終わりにしないことです。壁の強度が足りない現場で無理をすると、振動や騒音が出やすくなりますし、長年の使用で不安が残る工事になります。しかも、壁面設置はあとで点検や入替をするときの手間も増えやすいです。その場で納まったとしても、将来の再工事まで考えると、本当に壁面が最適かどうかは一度立ち止まって考えたほうが良いと思います。
屋根置きは納まりよりも、風と熱と将来のメンテナンスが重要です
屋根置きは、戸建てで配管ルートをきれいにまとめたいときや、地上に置くスペースが取りづらいときに選ばれることがあります。見た目がすっきりしやすく、配管の取り回しにも自由度が出る現場がありますが、個人的には、見た目だけで選ぶと後悔しやすい設置方法だと感じています。
というのも、屋根は地上よりも風や日射の影響を受けやすく、室外機にとって条件が厳しくなりやすいからです。メーカーの据付説明でも、室外機は強風に当たりにくい場所、雨や直射日光が当たりにくい場所、運転音や振動が増大しないよう丈夫な壁や強固な台を選ぶことが案内されています。周囲の通風や障害物の少なさも重要です。
屋根置きで怖いのは、取付直後には問題が見えにくいことです。その日は普通に動いていても、台風のような強風、真夏の熱気、将来の部材の緩みなどで差が出ます。さらに、屋根の上は作業者が簡単に寄れる場所ではないので、あとで不具合が出たときの確認も大変です。だからこそ屋根置きは、今納まるかではなく、数年先まで安心して使えるかという目線で判断したい工事です。
天吊りは振動と作業性を甘く見ないことが大切です
天吊りは、マンションやアパートの通路側、地面置きができない場所などで採用されることがあります。限られたスペースを有効に使える反面、私はかなり気を使う工事だと思っています。
理由は単純で、天吊りは本体を「持たせる」工事だからです。壁面設置と同じく高所作業になりやすく、はしごを使う作業になるケースもあります。施工時の安全性はもちろんですが、取付後の振動、共振、騒音、ボルトや金具への負担まで含めて見ないと、見た目はきれいでも落ち着かない仕上がりになります。高所設置では固定が必須とされており、通風を妨げないことも基本です。
それに、天吊りはドレンや配管の取り回しだけでなく、将来の入替やサービスのしやすさも意外と大事です。工事した瞬間の納まりだけに集中すると、次の人が苦労する現場になります。良い工事というのは、今きれいに付いていることだけではなく、あとで触る人が困らないことまで含まれると私は思っています。
二段置きは省スペースの便利さと引き換えに、気にする点が増えます
二段置きは、限られたスペースの中で複数台を納めたい現場では非常に便利です。実際、マンションや狭小地では助かることも多いです。ただ、便利だからこそ、雑に考えると一気に粗が出ます。
まず意識したいのは、上段と下段で条件がまったく同じではないということです。吹き出し方向、吸い込み側の空間、壁との距離、周囲の熱だまり、メンテナンスの手の入り方など、細かい差が積み重なります。メーカーも室外機まわりの必要スペースを確保しないとショートサイクルが起き、冷暖房能力や消費電力が悪化する可能性があると案内しています。
さらに二段置きは、架台そのものの強度や水平も大事です。ここが甘いと、上段だけ振動が大きい、下段の整備性が悪い、入替時に余計な手間がかかる、といった問題が出やすくなります。現場では「入ればいい」「今日は付いたから大丈夫」で終わらせたくなる場面もありますが、二段置きほど、その場しのぎが後から響く設置方法はないと思っています。
室外機工事で本当に見たいのは、見た目よりもその後の安定です
壁面設置、屋根置き、天吊り、二段置き。どれも現場によって必要になる工事ですし、どれが絶対に悪いという話ではありません。大事なのは、その設置方法に合った注意点を分かったうえで選んでいるかどうかです。
エアコン工事は、配管をつないで真空引きをして終わる仕事ではありません。室外機の置き方ひとつで、効き方、音、振動、安全性、再工事のしやすさまで変わります。実際、メーカーも風通し、直射日光、障害物との距離、強度、高所での固定といった点を繰り返し案内しています。
だからこそ、室外機の設置方法を軽く見ない業者さんは強いです。見た目が整っているだけではなく、その先の使いやすさや安心感まで考えて工事できる人は、やはり現場で信頼されます。エアコン工事の内容を深く見ていくと、結局はここにたどり着きます。うまい工事というのは、派手なことをする工事ではありません。条件の違う現場ごとに、無理をせず、雑にせず、あとで困らない納まりを選べる工事です。
そういう積み重ねが、次の仕事につながるのだと思います。
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