ドレンホースの横引きが長い現場で注意したい施工ポイント|水漏れを防ぐ基本

エアコン工事では、室内機のすぐ裏側から配管を外へ出し、そのまま下方向へドレンホースを流せる現場ばかりではありません。窓や柱の位置、外壁の形状、配管穴の場所、室外機の設置位置などによっては、ドレンホースを室内や屋外で長く横引きしなければならないことがあります。

横引きが長い施工は、見た目だけならきれいに納まっているように見える場合があります。しかし、冷房運転で発生した結露水は、ドレンポンプを使わない一般的な壁掛けエアコンでは、基本的に高低差を利用して自然に流れていきます。そのため、わずかなたるみや逆勾配でも水が滞留しやすくなり、水漏れの原因になることがあります。

横引きが長い現場ほど、施工直後の見た目だけではなく、実際に水が最後まで流れる状態になっているかを考えて施工する必要があります。

横引きが長いほど勾配の管理が難しくなる

ドレンホースの施工で基本になるのは、排水口まで連続した下り勾配を確保することです。

距離が短ければ、室内機から出たドレンホースをそのまま下向きに流しやすいため、勾配も確認しやすくなります。しかし横引きが長くなると、途中でホースが下がったり、反対に持ち上がったりしやすくなります。

特に注意したいのが、一度下がってから再び上がる形です。このような部分ができると、低い場所に水がたまり、排水の抵抗になります。少量の結露水であれば流れているように見えても、湿度が高い日や冷房運転が長時間続いたときに排水量が増えると、水が流れ切らなくなる可能性があります。

メーカーの据付説明書でも、ドレンホースには下り勾配を設け、持ち上がりや排水を妨げる形状を避けるよう示されています。施工する機種によって構造や注意事項が異なるため、実際の工事では対象機種の据付説明書を確認することが前提になります。

ホースを引っ張って勾配を作らない

横引きの長い現場では、勾配を確保しようとしてドレンホースを強く引っ張ってしまうことがあります。施工中は一直線に見えるため問題がないように感じますが、接続部分に張力が残った状態は避けなければなりません。

室内機側の接続部分や延長ホースとの継ぎ目に力がかかり続けると、わずかな緩みや抜けにつながる可能性があります。また、工事直後には問題がなくても、温度変化や振動、ホースの収縮によって後から位置が変わることも考えられます。

ドレンホースは無理に引っ張って納めるのではなく、必要な長さを確保したうえで、接続部分に力が残らない状態で施工することが大切です。メーカーの据付説明書でも、ドレンホースを強く引っ張らず、持ち上がらないように施工する注意事項が示されています。

途中の支持でたるみを防ぐ

横引きが長くなる場合は、ホースの自重によるたるみも考えなければなりません。

施工時には勾配が取れていても、支持されていない距離が長いと、時間の経過とともに中央部分が下がってくることがあります。ホースの中に水が残れば、その重さによってさらにたるみやすくなります。

配管やドレンホースをまとめて施工する場合は、見た目だけを整えるのではなく、ドレンホースの位置が途中で変わらないように支持することが重要です。固定する際も、ホースをつぶしたり折り曲げたりしないように注意し、排水経路を確保した状態で納めます。

特に化粧カバー内では、完成後に内部が見えなくなります。カバーを閉じる前に、ドレンホースが冷媒配管の下側に納まっているか、途中に山や谷ができていないか、接続部に無理な力がかかっていないかを確認しておく必要があります。

室内を通る部分は結露にも注意する

ドレンホースの横引きが室内側に長くなる場合は、排水だけでなく結露への対策も必要です。

冷房運転中のドレン水は冷たいため、ホースの表面が室内の暖かく湿った空気に触れると、外側に結露が発生することがあります。排水自体は正常でも、ホース表面の結露水によって壁や床が濡れれば、利用者から見るとエアコンの水漏れに見えてしまいます。

室内を通るドレンホースには適切な断熱処理を行い、断熱材の継ぎ目や端部にも隙間を残さないことが大切です。メーカーの据付説明書でも、ドレンホースが室内を通る場合には断熱材を巻くよう示されています。

冷媒配管と一緒にテープを巻く場合も、締め付け過ぎには注意が必要です。強く巻き過ぎてホースが変形すると、内部の排水経路が狭くなることがあります。断熱材を押しつぶさず、ホースの形状を保った状態で仕上げることが重要です。

接続部分は差し込みと固定を確認する

既設のドレンホースだけでは長さが足りない場合は、延長ドレンホースを接続します。この接続部分も、横引きの長い現場では水漏れにつながりやすい場所です。

接続が浅い、ホースの径が合っていない、固定が不十分、接続部分に横方向の力がかかっているといった状態では、排水時に水がにじんだり、時間が経ってから抜けたりする可能性があります。

延長部分は奥まで確実に差し込み、使用する部材に合わせた方法で抜けと漏れを防止します。そのうえで、接続部分が空中に浮いた状態にならないよう支持し、ホースの重さや引っ張る力が継ぎ目に集中しないようにします。

接続ができているように見えるだけで判断せず、手で触れて緩みがないか、張力が残っていないかまで確認することが大切です。

最後は必ず通水して確認する

ドレンホースの横引きが長い現場では、目視だけで排水状態を判断するのは十分ではありません。

施工後は室内機のドレンパンへ水を流し、ホースの先端からスムーズに排水されるかを確認します。途中で水が止まっていないか、接続部分から漏れていないか、室内機付近で異音がしないかも見ておきます。

少量の水だけでは流れてしまう場合もあるため、実際の冷房運転を想定しながら確認することが重要です。メーカーの据付説明書でも、施工後に水を流して排水状態を確認することが示されています。

横引きの長いドレン工事は、ただホースをつないで終わる作業ではありません。勾配、支持、接続、断熱、排水確認までを一つの工程として考える必要があります。

距離が長いほど、小さなたるみや接続部への負担が水漏れにつながりやすくなります。完成後に見えなくなる部分を丁寧に確認することが、エアコン工事の品質を守ることにつながります。


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